G-SHOCK GBD-H1000のレビュー

今年の8月中旬に購入し、4ヶ月以上使った上でのレビューです。

(購入直後のレビュー、あるいは「借りてみたので」というレビューがたくさんありますが、ある程度使わないと本当のところはわからないと思います。)

 

ランニングウォッチとして

 

まずバッテリーの持続時間は驚異的に長いです。心拍計を常時Onにしていますがなかなかバッテリーが減りません。(デフォルトでは、心拍計は「ランニング時のみOn」です。)週に大体3回走り、土日はランニング時以外にも着用していても、充電するのは2週間に1回ぐらいです。

液晶は、日中はとても見やすいです。太陽光があたっていてもよく見えますし、時計の正面からではなく斜めから見ても非常にクリアに読み取れます。一方で、夜はちょっと不便です。ライトの機能はありますが点灯時間1.5秒か3秒の選択肢しかなく、走りながらボタンをつけて、その3秒の間に情報を読み取るというのが(走りながらなので)ちょっと大変です。これだけバッテリーのもちがいいので、「常時点灯」という選択肢があってもいいのでは。なお、夜とは言っても、街頭の明かりなどがある程度あれば表示はクリアに読み取れます。

GPSは「GPSGLONASS、みちびき」対応とのことですが、精度が少し微妙です。比較対象は同じく「GPSGLONASS、みちびき」対応のサイコンです。精度が微妙だと困るのは、1) ペースの数値がぶれる 2) 走行ルートがずれる の2点によります。

まず、この点はメーカー様にも確認しましたが、「ペース」(たとえば1km5分)の数値は基本的にはGPSのデータに基づきます。ただ、実際に走っていると(本来のペースより)ばらけた数値が出ます。他のランニングウォッチと比較していませんが、少なくとも上記サイコンと比較するとペースのぶれ方は良くないです。たとえば5分30秒ぐらいで走っているはずなのに±2分ぐらいの数値も頻繁に出てきます。

走った後に確認できる走行ルートもわりとじぐざぐしまして、ひどいときは10メートルぐらい左右に飛んだりします。サイコンの方は(こちらはハイエンドではなくむしろエントリーモデルですが)かなり正確にルートを再現します。ちなみにスマホ(Pixel 3a)も「GPSGLONASS、みちびき」対応ですが、このスマホ+Mi Band4で計測するともっとジグザグするので、GBDはスマホよりかなりまし、サイコンよりちょっと駄目という印象です。

下記の画像の黄色、緑、オレンジの線はアプリが出したルートです。(説明書等に詳細記載されてませんでしたがおそらくGPSの感度によって色が変わるようです。) 手書きのブルーのラインが実際に通ったルートです。このときのずれは10メートルぐらいあります。

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走行ルートの例


心拍も、これは異常値が出るときと出ないときがありますが、出るときは、最初の2,3kmだけありえないように高い数値、たとえば220ぐらいの数値が出続けます。異常値は無視してもよいのですが、事後的にランニングの内容を分析する際に、「心拍ゾーン滞在時間」の表示がおかしくなります。下に異常値が出ている例と出ていない例を載せていますが、「5 MAXIMUM」のしきい値がずれているのがわかると思います。これに引っ張られて「4 HARD」以下、各レベルのしきい値がずれてしまいます。

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異常値が出てない例

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異常値が出ている例

総論として、ランニング用の時計として、バッテリーは大変すばらしく、精度に少し不安があります。

スマートウォッチとして

流行りのスマートウォッチのような多彩なスポーツモードはありません。基本ランニングのみです。ただし心拍計の他にも色々とセンサーがあるので、将来的には他の用途にも使えるようなアップデートがあるかもしれません。

私は現状では、自転車で長距離走る時は心拍計を表示させてます。

スマートウォッチとしては期待しないほうがいいです。「通知」機能のことです。まず、どのアプリからの通知を表示するか選べないので「通知On」にするとなんでもかんでもひたすら通知が来ます。次に通知の中身を見るのに物理ボタンを何度も押さないといけないので、そんな手間をかけるなら普通にスマホを取り出すと思います。私は通知を切りました。

アプリについては結構評価が低いレビューが多いみたいですが、自分の場合はそこまで問題は起きていません。

なお、このG-SHOCK MOVEはPC版もあり、Webブラウザ上で動作しますが、これは使い物にならないレベルです。


G-SHOCK他機種との比較

 

当初ガルフマスターを買おうかと思っていた中でG-SHOCKについて調べていたところ新製品のGSW-H1000の存在を知り、GSWについて調べていた中でGBD-H1000にたどり着きました。

GSWをやめた理由は以下の2点です。
・ バッテリー持続時間が短い
・ 1年あるいは2年後に確実に型落ちになる

毎日つけるのであれば「毎晩充電」でいいかもしれませんが、自分の場合は平日仕事中にG-SHOCKをつけていくことはなく、「たまに使う」場合、いざ使おうという時に「バッテリーが残り30%」といった状況になるのが容易に想像がつきました。

また、Wear OSはG-SHOCKとしてはこれが初代でもあり、Wear OS自体もバージョンアップしていくことから、確実に1年後、あるいは2年後には「型落ち」になるという点も嫌でした。



その他

 

後日レビューを書きますが、この時計を買った後にRunmetirxのモーションセンサーを買い、ランニング時はGBD-H1000とモーションセンサーを併用しています。

しかしこのセンサーは「このセンサー専用のG-SHOCK」でないと連携できません(Apple Watchはできますが、他のG-SHOCKはできません。)

時計の差別化として、「時計からセンサーを操作できる」、「センサーの計測内容が時計でリアルタイムで見れる」のを専用G-SHOCKに限定するのは理解できるのですが、せめて事後的な分析でGBD-H1000の心拍のデータをセンサー側アプリで活用できると分析の幅が広がるのですが、現状ではそういうことができません。この点はメーカー様にも要望として出しました。