「ランナーのカラダのなか ~運動生理学が教える弱点克服のヒント~」

掲題の本を読んだのでちょっと感想です。

ちなみにランニング、マラソン関係はかなり読んでます。最近この本のことをTwitterで知ってまず一読、そして今日もう一度最初から読んでみました。

 

ランニングと運動生理学についての本ってあまり見かけることがない一方で、最近の本だとあまり前提知識を説明することなしに運動生理学的なことが言及されてくることもあって、そういう意味では解説としてはよかったです。

 

ただ、この本を読んで、「じゃあこうすればいいのか」、「じゃあこれはやめるべきなのか」というのが見えてこないです。著者が前書きで「まだ運動生理学の観点で断定されていないことについても意見は」みたいに書いてはおられるのですが、結果的に「◯◯かもしれません」、「運動生理学の観点ではサポートされていません」といった記述が多くて、この要素のためにはこれをやるべき、この要素の兼ね合いではこれはやめるべきというのが書かれていないのです。

 

有酸素能力についてもフィックの公式というものの説明があるのですが、各要因にわけてトレーニングすべしとは書かれていても、その各要因のために何をすればいいのかというのは書かれていません。

 

さはされどで、参考にすべき点というのはあるのですが、従前多くの指導者が唱えている「常識」あるいは「セオリー」について「それが有害」とは書かれずに「運動生理学の観点ではメリットは発見されていない」みたいに書かれると、正直どうしたらいいのか悩みます。(たとえば坂トレのことです。)